
ジャワ島の街(Kudus)から移築、伝統的な木彫を施したティーク材のジョグロ・ハウス。
ミラノのブルガリ・ホテルがラグジュアリー・シティライフの舞台として大成功しているのに続いて、今度はバリ島にブルガリ・ホテルの第2弾、究極のラグジュアリー・リゾート・ホテルが話題になっている。ジンバランから半島を更に南へ、観光名所のウルワツ寺院の近くにあり、夕日にドラマチックに染まるインド洋の絶景を経験できるロケーション。国際空港(Ngurah Rai)からは車で30分〜40分で着く。日本からのゲストがとても多いそうだ。バリ島最南端、海抜150mの断崖に“オール・ヴィラ”スタイルの秘境のホテルがドラマチックに建つ。
ミラノのプロジェクトに続いてバリでも建築とインテリアデザインにはアントニオ・チッテリオ&パートナーが起用された。バリ島に残る伝統美を新解釈して、ブルガリが唱えるコンテンポラリーなイタリアン・エレガンスと融合させた。火山岩やエキゾチックな木、ブルガリ・リゾートのためだけにデザインされ手織りされたシルク等、現地特有のマテリアルも可能な限り空間にモダンに息づく。
全59棟の個性的なプール付きヴィラはどのヴィラからも紺碧の海と透けるような青空のスペクタクルな眺めが広がる。8ヘクタールの広大な敷地に各々が完璧なプライバシーを確保するヴィラは約300m²のオーシャンビューのカテゴリーが47棟、オーシャンクリフが8棟。「バレ」と呼ばれ壁がなく東屋風のバリ島で伝統的な建築に倣って、ヴィラのリビング&ダイニングもオープンエアなパビリオンの様だ。コロニアル・スタイルとエスニック・スタイルをミックスしたファニチャーも魅力だ。コルセットのように紐でしめた白い椅子カバーや更紗風の柄のクッションがフェミニンなディティールを添える。竹に構成されピラミッドの形に似たユニークな天井もバリならではだ。バリの骨董美術品が飾られると同時に最新のバング&オルフセンのオーディオ・システムも揃う。チェックインはロビーでなく各々のヴィラで行われ、希望なら朝食も追加料金なしでヴィラにサービスしてもらえる。
ヴィラは更にベッドルームが2室で広さ500m²のより贅沢な3棟と、専用通路で着く極めつけの“ザ・ブルガリ・ヴィラ”もある。一瞬聞き間違えではないかと耳を疑いたくなるが、1300m²もの広さを誇る。リビングはプライベート・バー付きでホーム・シネマの部屋もあれば外にはメディテーション用パビリオンまで用意された。
パブリックエリアのバーやラウンジとレストランは水に囲まれ、プールから一望できるインド洋には息をのむしかないだろう。オールデイ・ダイニングのカジュアルなインドネシア&アジア料理のレストラン「Sangkar」とイタリア料理のディナー・レストラン「IL」は海抜の高さだけでなく皿の上のクリエーションもトップレベルだ。(シェフ:Andrew Skinner)化粧室はブルガリの香水の甘い香りが嗅覚をくすぐる。オーシャンサイドに位置するスパはメイン・パビリオンが伝統的な古いジョグロ屋根の家をジャワ島から移築したもの。自然のままのプライベート・ビーチに降りればまさに地上の楽園だ。
ブルガリ・リゾートのヴィラは007のジェームス・ボンドがミステリアスな美貌の女性スパイと一夜だけの恋に落ちても当然のような場所。バスルームがベッドルームよりも広く、黒光りする石の床に女王陛下のスパイがスモーキングと解いた蝶ネクタイを脱ぎ捨てる。水栓類やアクセサリー類は全てアクサーチッテリオで統一されているが、その水栓からバスタブに勢いよくお湯が流れ落ちる。そんなシーンを想像したくなる。
インドネシア人は朝食なしでも朝の水浴なしには一日が始まらないというほどで一日に数回水浴すると言う。「マンディ」と言われる水浴は生活に欠かせない。それは汚れを流すだけでなく心の濁りも流し心身共に清らかに活性化する行為でもあろう。ヴィラのバスルームにもそういった水浴の神聖さが感じられる。キングサイズのバスタブに四季折々の花びらを浮かせキャンドルライトでロマンチックな湯浴びも楽しみたい。当然のことながらアメニティーは石鹸からタオル類まで全てブルガリ・ブランド。
さて水回り空間のデザインには特にどんなところにポイントを置いたのか、ミラノのアントニオ・チッテリオ&パートナーにショート・インタビューしてみた。
まずバスルームのデザインのコンセプトを聞かせて下さい。
--ヴィラのバスルームは全サイドが緑や花の美しいトロピカル・ガーデンへの視線を開く“ウィンドウ”になっています。水回り空間を囲むガーデンは外側が壁に囲まれています。庭の景色がバスルームを包みインサイドにあってバリの自然のアウトサイドにいるフィーリングです。バスルームには日々の儀式的な空間というキャラクターもありますね。そこでバスタブと洗面台を壁際でなく空間の中心エレメントになるように配置しています。
シャワーがアウトドアにもありますね。
--どのヴィラにもシャワーが内と外の2タイプ用意されています。外でシャワーを浴びるのはやはりトロピカルなリゾート環境を全身でエンジョイできる贅沢ですね。
独特の輝きがありますが床にはどんな素材を選んだのでしょう。
--バスルームの床には黒いテラゾを使いました。
洗面台もシンクとカウンターの素材のコンビネーションがユニークですね。
--ステンレススチールの洗面ボウル(洗面器)をクリーム色のテラゾに合わせています。テラゾは床も全て職人の手が感じられるハンドメイドです。
使った木材もバリ島ならではの種類ですか?
--Bangkirayというものです。
バリの次のプロジェクトが期待されますが?
--それは秘密です。
文責/小町英恵
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瞑想的な池にかかる浮き橋。スパ内にはヨガ用パビリオンもある。

オーシャン・ビューのトリートメント・ルーム。究極のリラクセーションを体験。

The Sangkar Restaurant。断崖絶壁にあるオールデイ・ダイニングのレストラン。天井は高さ10m。

伝統的な鶏籠が照明にリデザインされた。

インドネシアとバリ島の日常生活、自然環境にインスパイアされ、レストランのファニチャーもオリジナル・デザインでハンドメードされた。

The Arrival Pavilion。到着するゲストを迎えるパビリオン。

The Reception Pavilion。レセプション・パビリオンでは1930年代のバリ島の地図(メキシコの画家Miguel Covarrubiasによる)に歓迎される。

Il Ristorante。池に沿うイタリアン・レストラン(36席)。灯籠の優しい光が似合う。

The Bar。バーはオープンエア・スタイル。海岸を見下ろす絶景テラスのラウンジ。
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