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1階は染織作家・高見由香氏のアトリエ。作品を展示するギャラリーも兼ねており、通りに面して2層吹き抜けの大きなガラス窓を設けた。アトリエ・織り場の土間床は、アプローチから乱張りで続く大理石・トラバーチン。アーチ壁を通して、光が柔らかく回り込む。
染織りの家
東京・西荻窪、骨董通りを抜けた住宅街に建つ、木造3階建ての家。1階は染織作家である妻・高見由香氏のアトリエ、2・3階は3人家族のお住まい。20坪と限られた敷地だが、車を持たない分、アプローチに緑ゆたかな庭をとることが出来た。アプローチを彩る四季折々の植栽は、家族が楽しめるだけでなく、道行く人々を和ませてくれる。1階は創作のアトリエと、展示会のギャラリーを兼ねており、靴のまま入れる広い土間空間に。通りに面しても、1・2階を貫く大きな窓を設けている。周りは2階建ての建物が多い住宅街のため、家族で過ごすLDKを見晴らしのよい3階に上げて、天井を高くとった開放的な空間に仕上げた。2階は、寝室や水まわりのプライベート空間。1階と3階を「美しく、居心地のよい空間」として最大限生かせるよう、挟まれる2階は天井高を抑え、コンパクトで使い勝手のよい家事動線を目指した。セラトレーディングの商品は、プロダクトデザイナーである夫とともに、夫妻で吟味し選定した。
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通りに面して2層分の大きな窓を持つ外観。1階が妻のアトリエ、2・3階が住まい。人を迎え入れる雰囲気を持つエントランスまわりの緑ゆたかな植栽やレッドシダー張りの外壁が、道行く人々を和ませている。 -
アトリエに造り付けた飾り棚には染め糸が並べられ、グレーがかった塗り壁を背景に、見ても美しい収納になっている。下の段には好きな作家の作品を飾り、創作の糧にもしている。 -
街に開かれたアトリエの大きな窓。吹き抜けをはさんで描くアーチの壁に、回り込む柔らかな光が素材を浮かび上がらせる。窓の外にそよぐ緑を感じる、心地よい創作の時。
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「外を眺めながら料理がしたい」と、3階の最も見晴らしのよい東側にキッチンを配した。コの字型キッチンの中央には、ダイニング側からも使える作業台を造作。吊り戸棚の代わりに大きな水平の連窓を作り、遠く屋根並みと広い空の見渡せる、気分が晴れやかになる場所となった。シンプルで端正なフォルムのキッチン水栓を採用。 -