フランス

ル・ネグレスコ(フランス・ニース)

ホテル情報

Le Negresco

Add
37 Promenade des Anglais 06000 Nice, France
TEL
+33 4 93 16 64 00
E-Mail
info@lenegresco.com
URL
http://www.hotel-negresco-nice.com

プロムナード・デ・ザングレに君臨する、淡いピンクの円蓋が独特なベル・エポックの美しい建築、ニースのランドマークでもある伝説的グランドホテルが「ル・ネグレスコ」だ。ナポレオン時代の騎兵のユニフォームを着たドアマンと、ニキ・ド・サン=ファルのカラフルなモザイクの彫刻、ジャズの帝王とも賞賛されたトランペット奏者マイルス・デイヴィス像が朗らかにゲストを歓迎する。このホテルは、フランスの歴史的建造物にも指定されている。宿屋主と流浪のバイオリン奏者の息子として、ルーマニアのブカレストで生まれたアンリ・ネグレスコは15歳で国を離れ、パリやモナコで修行を積み、カジノで働くためにニースへやって来た。そしてオランダ出身で、パリでは既に著名だった秀逸の建築家エドゥアール・ニエルマンに出会い、ホテル建設を決心する。ラック・タルボ自動車会社社長を共同出資者に獲得し、資本調達したという。ピンクの円蓋は有名な高級娼婦の豊満な乳房ラ・ベル・オテロがイメージされたとの説(スペクタクルなサロンの円蓋はギュスタフ・エッフェルによる構築という説も)が伝わっているが、その真偽は定かではない。1912年11月のオープニング(実際の創業は1913年1月)には、8ヶ国の国王夫妻を賓客に迎えた。当時の最先端、かつモダンな設備で栄華のスタートを切ったわけだが、間もなくして第1次世界大戦が勃発、ヨーロッパの貴族もバカンスどころではなくなり、ホテルは軍の病院となる。戦後の客足は絶え、1920年にネグレスコは貧しくパリで亡くなり、ホテルも8年目で倒産し、ベルギーの会社に売却された。その後再びホテルとして活気を取り戻し、VIP御用達に発展したのは、1957年にジャン=バティスト・メスナージュ夫妻がオーナーとなってからだった。その娘のジャンヌ(ニースの政治家ポール・オジエと結婚)が後を継ぎ、「ル・ネグレスコ」をフランスの歴史が薫りアートに満ちた空間に昇華した。

エントランスホールの左奥に続く「サロン・ヴェルサイユ」。フランスの古城の大広間を移築した歴史的空間。ルーブル美術館とベルサイユ宮殿とこのサロンの3カ所でしかお目にかかれないイアサント・リゴー作のルイ14世像に対面でき、国立美術館の一室のようなサロンだ。この絵の前で記念写真をというゲストも多い。

ホテルの心臓部である1階の「サロン・ロワイヤル」。1,600㎡の楕円形の大広間。可愛いプット(天使)も描かれたガラス張り天井から淡い光が降り注ぐ。ロシアのニコライ2世の依頼で16,000個ものクリスタルを使い製作された、重さ1トンを越えるバカラのゴージャスなシャンデリアが美しく輝く。モスクワのクレムリン宮殿と、このサロンにしかない稀少な煌めきだ。レイモン・モレッティ作の7枚のダイナミックな抽象絵画のカーペットが、大理石の床に映える。

1階のトイレが凝りに凝っているので、必要を感じなくても是非とも見学に行って欲しい。実はトイレと気がつかず、廊下からゴールドに光る洗面台が覗けたので、ナポレオン時代の理容室をインスタレーションした部屋かと見学に入ったら、実際に使っているゲストがいて仰天。ナポレオン様式の野営テントが男性用で、婦人用はお姫様のピンクの部屋。

夜にはジャズやラテン音楽のライブ演奏も楽しめる英国風のバー「ル・ルレ」。クルミ材の木の内装は、1913年に完成したもの。上のギャラリーから見下ろすと、絨毯の美しい織り模様がよくわかる。「ル・ネグレスコ」はいろんな映画にも登場するが、最近ではウディ・アレン監督のロマンティックコメディ「マジック・イン・ムーンライト」のワンシーン(ベルリンのキャバレーという想定)が、このバーで撮影された。カウンターで飲んでいたリチャード・バートンが、エリザベス・テイラーにプレゼントしようと買った高価なエメラルドのジュエリーを慌ててスツールに置き忘れたとか、数えきれないエピソードが残る。

ミシュラン2つ星のレストラン「ル・シャントクレール」。インテリアの美しい木彫の装飾は、1751年のもの。シェフのジャン・ドゥニ・リューブランは、フランスの国家最優秀職人賞(MOF)を獲得している。
ホテルからほど近くに農場を営む父親が、週に2度新鮮な食材を届けるという。
朝食はブラッスリー「ラ・ロトンド」で。廊下でメリーゴーランド・ポンパドールという看板に迎えられ、多少心の準備ができてはいるものの、ブラッスリーのインテリアが冗談でなくメリーゴーランド。それも18世紀のそれはカラフルで装飾豊かなもの。ヨーロッパ中探してもちょっとないだろう超ユニークな空間造り。

マダムオーギュはタピセリー、ダリ、ウォーホル、ルノワール、6,000作品というルイ13世の時代から今日までの美術コレクションがすごい。1階から最上階の5階まで、1つ1つ鑑賞しているだけで何時間も過ごせてしまう。次から次へと声が出なくなるほど。
このホテル文化遺産の保存に人生を捧げるオーナー女史ジャンヌ・オジエは、数年前に90歳を祝ったが、若い頃からの情熱の美術収集家で、ルノワールの彫刻を筆頭に、ホテルはなんと6,000点以上の作品を所蔵し、全館が広大な私立美術館の様。美術骨董品の管理にキュレーターを雇っているホテルは、世界でも類がないだろう。
客階はナポレオン3世のアンピール様式やアニマル、フランスのシンボルの雄鶏、コンテンポラリーなど、コレクションのテーマ別展示のタイトルを得ている。

客室階のフロアカーペットには1974年、イヴァラル(ヴィクトル・ヴァザルリの息子)のオプアートが織り上げられた。今ではデザイン史に残るユニークさ。
真紅のアンティークなエレベーターも味がある。

階段の踊り場や客室フロアのテーマスイート前のラウンジも凝った趣向。
ホテルは客室94室にスイート31室。ここは426号室、正面に天使音の湾の海が見える4Fのラグジュアリー・ルームだ。壁にもカーテンにも野バラの花が咲き乱れ、ベル・エポックの時代のアンティーク家具と可憐に調和する。ホテルに縁あるシュールレアリスト「サルバドール・ダリ」の名を冠し、ダリの作品が数多く展示されるフロアにある。ランプシェードも花模様のレース。

部屋にもコレクションからモダンアート(レイモン・モレッティの作品)が飾られる。
クリスマスイブのパッケージで、シャンパーニュのルームサービスまで。そしてサプライズプレゼントは、ユーモラスなお腹のまんまるなサンタの特製チョコ。

窓からの眺め。窓を開けると波の音が聞こえる。
部屋のドアに向かって右がバスルームへのドア。ベッドの後ろ側に位置。

大胆な紅白のストライプの壁で、おめでたい気分。猫脚バスタブも、いかにもフランス風。シャワーカーテンのアレンジも素敵だ。
紅白の中に洗面台の石の黒光りが力強い。ソープやローションは、プラスチック容器が壁に取り付けてあり、石鹸ファンには残念。

洗面台左手にトイレ。トイレにハンドシャワーを発見するのは初めてで、しばし使い道がわからなかったのも事実。
タイルにもお花のパターン。

2016/03/01時点の情報です

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