INOUT House

San Jose, Costa Rica

2016/01/04

全景。水盤が内外をつないでいる。左側に見えるのはテラス。その奥にリビングルームが見える。右側に見えるのはマスターベッドルーム。

内外を連続させる空間づくり

中央アメリカ南部に位置するコスタリカの首都サンホセに建つ住宅。設計はスペインのバルセロナに拠点を構える建築家ジョアン・プイグコルベ。1967年生まれで、カタルーニャ工科大学で建築を学んだ。身近な環境に目を向け、生活や体験を重視した設計をしている。
自然豊かな立地にこの住宅は計画された。そのため、室内からもその環境を享受できるよう、内部と外部を連続させる工夫が凝らされている。そのひとつは壁面にガラスを多用していること。視線が抜けることはもちろんだが、さらに、床と天井に広がりのある水平面を与え、視線を横方向に絞ることで、その効果を増幅している。
また、室内とも屋外ともいえない中間領域(中庭)をつくり、空間にアクセントをもたせている。ここに水や植物を配して、空が見えるように天井を開放している。水、植物、空という自然が接する中間領域を室内に設けることで、部屋の奥でも自然が感じられる。また、部屋・中間領域・部屋と空間にレイヤーを設けることで、部屋と部屋の距離感を膨らませ奥行感を生んでいる。

キッチンから中庭を通してリビングルームを見る。
水盤が引き込まれたリビングルーム。

家の中心にキッチンを配置

部屋の配置にもアイデアが見られる。すべてのベッドルームは周縁に置かれ、社交の場であるキッチン、ダイニング、リビングルーム、プール、テラスを中央に配した。特にキッチンは興味深く、キッチンカウンターとテーブルを一体的につくり、黒御影石で覆うことで彫刻的な表情を持たせ、家の中心的な存在になっている。
内部と外部の仕上げには、熱帯地域で造林されているメリナ材が使われている。肌目は少し粗いが、軽くて軟らかく優しい表情を持っている。仕上げ材を同じにすることで、内外の連続性を強調している。

1階平面図。
バスルーム平断面図。
1階平面図。
バスルーム平断面図。

自然を享受するバスルーム

浴室にはバスタブがなく、木で囲われたシャワールームになっている。シンプルな構成だが、ガラス越しに樹木が見え、光が降り注ぐ。シャワーの水栓には金属感があるが、その中でもナチュラルな雰囲気が感じられる製品を設計者は選んでいるという。また、メンテナンスや清掃のしやすさも選ぶ基準になっている。トイレはデイヴィッド・チッパーフィールドのデザインの便器を使用。
敷地周辺の環境に素直に応答し、どの部屋にいても自然を楽しめるアイデアが盛り込まれた住宅である。

キッチン。キッチンカウンターとテーブルが一体的につくられている。

洗面室。

ベッドルーム。

木で囲まれたシャワールーム。窓越しに緑が見える。

Credits and Data

Project title
INOUT House
Program
Private Residential
Location
San Jose, Costa Rica
Site area
1,320㎡
Floor area
651.55㎡
Design period
2015
Promoter
Costa Rica Natural Design
Architect
Joan Puigcorbé
Collaborator
Carolina Pizarro
Interior Design
MKBstudio
Construction
PAAS
Photographs
Jordi Miralles

株式会社エー・アンド・ユー

1971年1月、株式会社新建築社を母体として株式会社エー・アンド・ユーを設立するとともに、月刊『a+u/建築と都市』を創刊。『a+u/建築と都市』は、世界の建築情報を国内外へ提供するために、和英バイリンガルで創刊された月刊誌。 新鮮な建築情報は、海外からも高い評価があり、現在世界110カ国で購読されています。
http://www.japlusu.com

CASE STUDY 納品事例

戸建住宅・ホテルなど、実際に当社の商品が納入された事例をご紹介しております。ご自分のスタイルに合う住空間のイメージづくりにお役立てください。

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2022/01/05

富山県 消滅集落のオーベルジュ「Cuisine régionale L’évo」

人口わずか500人の富山県南砺市利賀村に、かつて存在した集落である「田之島」。一度は消滅したこの集落を、まるごとホスピタリティの空間としてデザインした、究極の地産地消を目指したオーベルジュ。地域に根差した文化や建築様式を読み取りデザインすることで、この場所ならではの新しい風景をつくった。

素材を大切にするこの施設では、食材はもちろん、水にまでこだわっている。周辺の山間から集められた澤水によって活動が成り立つこの施設において、衛生器具は、ここでの体験を演出する重要な役割を担う。土着的な建築デザインの趣に馴染みながらも、ラグジュアリーな宿泊空間を演出できる器具を模索する中で、洗練されたフォルムのグレー色の陶器に辿り着いた。施設の空間を象徴するデザインのひとつとなった。

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2021/08/02

東京都 南麻布の家

都内屈指の公園に面し、窓からは隣接する公園の樹木、遠景には東京タワーを望むヴィンテージマンションのリノベーション。都心でありながらここまで自然に囲まれた環境は唯一無二であり、まるで軽井沢の森の中にいる感覚を味わえる立地の良いお住まいだった。そこで公園の風景を各部屋で最大限楽しめる計画とし、インテリア素材は公園の樹木と呼応する素材をちりばめ、室内と屋外が連続するように設計した。

元々2カ所あった浴室は、それぞれ個性が異なる空間となるよう、1方はバスタブのある浴室、もう1方はシャワールームとした。ほとんどの生活を海外拠点や軽井沢で過ごされるお施主様にとって、プライベートホテルのような使い方も想定し、ホテルのような落ち着いた雰囲気になじむセラトレーディングの商品を選定した。

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2021/03/31

神奈川県 葉山加地邸

国の登録有形文化財として登録された、1928年竣工のプレーリースタイルの邸宅をホテルにリノベーションしたプロジェクト。

当時の設計はフランク・ロイド・ライトの弟子の遠藤新。彼の作品のなかでも特にフランク・ロイド・ライトの直接的な影響が幾何学模様を駆使したデザインなどに現れている。わたしたちは歴史を継承しながらも、従来の保存という枠を超えて現代のライフスタイルに合致した新たなデザインを生み出すことを目標とした。

具体的には、文化財の最重要箇所は保存に徹したうえで、プレーリースタイルの哲学を表す幾何学をモチーフに新たなデザインを作り出し家具等様々な場所に活用した。また文化財保存に影響なく変更できる部分を活用し、地下に吹抜けの浴室をつくるという大胆なプログラムを提案した。浴室では歴史や様式を継承しつつ、現代的なシンプルさを表現するのに十分なデザイン性をもった水栓金具を選定した。

わたしたちが目指したのは、現代と過去との対話を表現し、新たな生活を楽しんでもらうためのデザインである。

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2020/12/01

東京都 側庭の家

二世帯住宅の建て替え計画。

北と西側が道路の角地で、斜め向かいには保育園があり、子供たちの元気な声が響き渡る環境だった。まず道路境界からオフセットして住空間にかざすように壁(側壁)を建て、その内側に角地の建蔽率緩和を利用し、ゆったりした住空間を計画した。

住宅地では建築を敷地の片側に配置し、残った部分を主庭や前庭にする住宅をよく見かける。また、都市部の住宅では、プライバシーを守る住環境を確保するために中庭形式をとる家も多い。この敷地でも南側に主庭を設けたり、中庭を設けるボリュームチェックも行ったが、残地部分が限られてしまい、良好な庭・環境が確保出来ない。そこで始めに設定した側壁に沿って庭を分配し、側壁と住空間の開口を調整して、音や視線から守られつつも、光や風は取り入れられるバッファーゾーンを確保した。またその開口を通し道路から空が見え、視線が抜けるようにすることで、外部への圧迫感の緩和を図った。

側壁の外側、道路との間が「外側庭」、内側の住空間との間が「内側庭」となり、外側庭は道行く人たちに季節ごとに緑の変化を提供し、内側庭には一日や一年、時間により様々な光が差し込む。

外側庭を空地に自生したような風情にすることで、完成当初からそこに存在していたような佇まいにして「年月で朽ちる家ではなく育つ家を」と言う要望に応えた。

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