中野区 HOUSE M

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2012.12.03
  • 僅か1畳ほどの広さの坪庭に面してフルハイトのガラス窓を嵌め込むことで、空間の広がりを演出している。
  • 旗竿敷地を最大限活用した外観

光と風を導く1畳の坪庭

敷地は閑静な住宅地に位置し、典型的な旗竿形状の狭小敷地に、夫婦と子供1人:家族3人の住まいを作る計画である。一口に旗竿地と言っても形状は様々だが、この旗竿はとりわけスリムである。狭小地ならではの厳しい法規的制約とプライバシーの確保を同時に満たしながら、そのスリムな形状を生かし、ここでしか出来ないダイナミックな空間性を引き出すことを目指した。

「旗」は「竿」に十分な強度がなければ自由にたなびくことも出来ないことから、まず「竿」部分の空間的強度を上げることを意図し、竿地に1枚の界壁を挿入した。そこに必要な要素を全て複合させ、メーターボックス・ポスト・駐車場のニッチ・照明・キャンティレバーの階段までを一体化し、アプローチ空間を3次元的に拡張していった。

「竿」に続く居住空間としての「旗」部分は3層構成とし、限られた規制の中で最大限のエアボリュームを導き出すため、必然的に半地下の構造を採用することとなった。風にたなびく「旗」のように、空間における3次元的振幅、すなわち環境に応じた濃度分布に従って諸室を最適化すべく設計を進めた。

アプローチ空間を屋内に引き込み、パブリックの延長として2階にはエントランスホールと一体化した広場的空間(リビング)を設け、吹抜を介してセミパブリックスペースである3階のキッチンとダイニングに緩やかに接続している。北側の傾斜屋根部には、リビングからは空を見上げるトップライトとして、また、ダイニングからは水平に視線が抜けるピクチャーウインドウとして2役をこなす大きな窓を設けている。

1階は半地下のプライベートスペースとして、寝室・アトリエとバスルームを配した。洗面カウンターには彫刻的な美しさを持つ大きなカウンター一体型の洗面器を設置し、坪庭に面して光が差し込むバスルームにはジャグジー付きの大きなバスタブと、肩幅を満たす長方形のオーバーヘッドシャワーにより快適なバスタイムを演出する。

建物中央部に設けた僅か1畳程の坪庭を介して各フロアに光と風が導かれ、同時に家族の気配も繋げながら、3フロアが1枚の「旗」として力強くたなびくことを意図した。

  • 玄関へと誘うキャンティレバーの鉄骨階段。
  • 2階エントランスホール。
  • トップライトから光が降り注ぐ2階のリビングルーム。
  • 吹抜け空間の夜景。
  • 開放感のある3階のダイニングルーム。
  • キッチン
  • 1階に設けた寝室。
  • 浴室。洗面スペースと浴室をガラスで仕切りながら、周囲を鏡で満たすことで複層した関係性を楽しむ事が出来る。
  • オーバーヘッドシャワーには肩幅を同時に満たす長方形のヘッドを採用した。
  • 洗面スペース。彫刻的美しさで存在感のあるカウンター一体型洗面器。
  • 脱衣室と浴室との連続性を意識し、鏡と透明ガラスを組み合わせたスクリーンを設置している。

建物概要

名称 HOUSE M
所在地 東京都中野区
施主(事業主体) 個人
設計(監理) 宮下 信顕
施工会社 アール・ドウ
工事期間 2011年2月〜2012年5月
建築用途 個人住宅