OMソーラーと木組の空間
周辺環境は昔ながらの住宅地で、施主の生家の建て替えである。施主は周辺環境を十二分に把握していることから、風の抜けや日射について色々と意見を交わし、全体の設計に取り入れた。
今回の設計では、太陽熱を利用するOMソーラーを採用した。快適で省エネルギーな住環境を生み出すこのシステムは、集熱の際に取り込む新鮮な外気を、暖房・給湯・換気に利用する。夏場は換気とお湯とり、冬場は床暖房に有効活用することができる。
仕上げ材は自然素材にこだわった。梁は紀州の杉、床は厚み30mmの無垢の杉、壁は珪藻土左官仕上、天井は紙クロスと自然素材でまとめている。格子の玄関・家具などは、木組みの表情を出来るだけ豊かにみせるように考慮した。白い珪藻土の左官仕上げ、着色をせず仕上げた杉の色、格子の陰影の融合する仕上がりになったと考えている。