White Courtyard House
バスや人の往来が多い通りの角地に建つ住宅である。設計にあたり施主からの要望は、「家の中でも四季を感じられる空間であること」「水まわりは他にない空間としたい」というものだった。立地と要望、その回答のひとつとして、外観にはドア以外の開口部をつけず中庭をつくる、外に閉じ内に開く白い箱のような家を提案し、実現した家がこの住宅である。
各部屋は中庭を中心に配置した。中庭を通して、シンボルツリーの葉の茂り、日差し、風といった、施主の希望である四季を各部屋で感じることができる。また、中庭がもうひとつのリビングとも言える存在となり、各部屋がゆるやかにつながり、家族の気配を感じられる効果も生まれたと思っている。
水まわりの天井と壁は、クラフト感の残るFRP仕上げを施し、ともすると冷たい空間になりがちな水まわりに温かみを加えた。また、中庭の雰囲気を感じながら入浴できるよう、浴室から中庭へ出入りできる掃き出し窓を設置した他、浴槽は床面に縁がくるように配置して空間を広々と見せるなど、開放感のある水まわりを実現することができた。施主が選定した輸入水まわり器具と相まって、この家ならではの水まわりとなった。