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リビング。大きな間取り変更は行っていないが、長押や襖を取り除き、フローリングを連続して張ることで、空間に広がりが生まれた。 -
キッチンには吊戸の代わりに棚を設けた。収納スペースも確保でき、小物を置いて個性の光るキッチンに。
ニュートラルな家
昭和43年築、公団住宅のリノベーションである。
この時代につくられた公団住宅の多くは、壁式構造でつくられており、大幅な間取り変更が難しい。
そこで、既存壁を生かしつつ、基本性能とインテリア性の向上を図った。
空間は白を基調とした、やわらかく、シンプルな空間を目指した。
その中で空間を引き締める効果を生み出しているのは、フローリングに採用した栗材。
くっきりとした木目がアクセントとなる上、肌触りのよい栗材が、空間にも住み心地にも二重の効果を生み出している。
また、収納や水まわりには、ある程度ラフな部分をつくった。
オープンな棚収納を多用し、季節やライフスタイルの変化により、収納方法や小物で見せ方を変えられる収納とした。
水まわりにおいても同様で、更に空間に溶け込むようなインテリア性を持たせ、空間で見せることにこだわった。
全体を通して、作りこまずにニュートラルな要素を持たせたことで、施主がライフスタイルに応じた暮らしを楽しむ家ができたものと思っている。