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グレーとホワイトの配色が端正な表情を醸し出すダイニングキッチン。クッカーやオーブンなどの機器はMieleで統一。岩石をモチーフにしたイタリア製の床タイルやダーク系でまとめたダイニングチェアなど、シンプルな空間のなか、施主のこだわりが随所に垣間見える。
緑豊かな丘陵地に寄り添う爽快な住空間
東京を出発した新幹線が高崎への到着を告げる頃、車窓の左手に白い塔と個性的な家々が立ち並ぶ丘陵地が目に入る。この別荘地を思わせる丘陵地に建てられた今回の住宅は、自然の中で静かに佇み、大きな開口部で緑豊かな風景を室内に取り込み、環境と住まいが寄り添うようにデザインされている。
爽快で清々しい生活を演出するためには、構成要素は可能な限りシンプルでありたい。それでいて一つ一つの空間の中においてフォルムが美しく、そこにあるだけで気品があり、さり気なく個性を主張してくれるようなものがよい―そんな施主のこだわりが、水まわりの器具ひとつひとつによく表れている。
朝、キッチンの水栓から聞こえてくる水の音。窓の外は微風に揺れる山の木々。鳥のさえずり。朝食を温めるフライパンからは美味しそうな香りがたちこめる。食卓に家族が集い、自然と共存した心地よい住空間から、一日がはじまる。