佐戸の家
佐戸の家には電力会社からの電源供給がなく、また灯油やガス等の化石燃料を使用しないエネルギー自給自足の家である。ちまたではオフグリット住宅と呼ばれる。日射の少ない寒冷積雪地秋田でエネルギーを自給するには並大抵の努力ではないが、現代の制御化されたシステムに疑問に思っている方々への僕なりのメッセージである。そして秋田の厳しい気候の中にも豊かさを見つけ、それを取り入れることで快適性を追求した。南面の大開口や屋根・壁の断熱、北側の保存室など自然の摂理に添って建築をする。建築での環境配慮はエネルギーの収支に注目されやすいが一番のエコロジーは長く使ってもらうことであり、そこには普遍性が欠かせない。水まわり品もその観点から選択し、機能性や美しさなどの基本要素も網羅している。