ご自宅のLDK。キッチンの位置を南から北に移動し、南北の光と風が抜けるようにした。また、右側の壁を大きく使うことで部屋を広く見せ、効率のよい動線となった。すべてが和室で築40年を超える内装は古めかしく、機能的ではなかったので、キッチンにはミーレの食洗機、浄水器付き水栓、ガラストップのガスコンロ、お掃除が簡単なレンジフードと機能の強化も図った。
ホワイトを基調にしたシンプルモダンな家
築40年の鉄骨+ALC構造の建物は、賃貸ルーム3部屋と、5DKのオーナーであるクライアント様のご自宅で構成されていた。建物は親世代が建て、何度もリフォームを繰り返していたが、外壁、内装の劣化が激しく、また建築時の施工にも多々疑問の残る部分があり、これを再生することは大変な労力とコストを掛けなければならなかった。壊して新築するには、この5倍のコストが掛かり、やむなくリフォームという選択肢となった。クライアント様が引っ越してきたのは数年前で、マンションでの快適な暮らしから、部屋数は増えたものの、使い勝手の悪い設備と古びた外観を嫌い、お子様たちは友人を招くこともせず、家の前を友人が通らないようにもしたそうだ。内装は和室ばかりでプライバシーがなく、家族のだんらんする場もなかった。プランとパースをお見せした時に、お子様たちは「こんな風になるわけがない」と。リノベーション後に満面の笑顔を見た瞬間はこの仕事をして良かった!と思うほどだった。各自の自室もプライバシーを確保し、収納も充実させ、賃貸ルームとオーナー宅に防音も施した。賃貸ルームも駅から少し遠いことを考えて、女性や若者に喜ばれるデザインや色、キッチンや浴室に大理石やタイルを用いてこだわった。特に敷地内に井戸を設けていたので、井戸水もお使いだったが、都内の水は現代では飲み水に適さないと判断し、セラトレーディングの浄水器付き水栓の採用をお勧めした。
ご夫婦と2人のお子様の靴の収納が足りないと不満があり、天井までの収納で解決した。床面は25cmほど空けて靴の一時置き場とし、収納は浴室側に移動して埋め込んだ。玄関ホールは以前より狭くなったが、扉にミラー、洗面所側の壁にはフロストのFIXガラスを設けて抜け感のある清潔な印象となった。 南に面した明るいリビング。以前は和室だったので、障子を取り払い、天井も鉄骨を避けて最大限に高く造った。石壁をアクセントに、テレビも壁掛けにしてすっきりとした印象に。右奥の部屋は帰りの遅いご主人様のベッドルーム。
LDKが1部屋になったことで、家族のだんらんが生まれた。キッチンは特にこだわり、オリジナルで世界に1つのものを製作した。ホワイト&ブラックをどう使うか?クライアントと何度も協議を重ねた結果、ブラックをシンク側のベースに使ったことで引き締まった印象になった。 キッチンにはドイツの食洗機(ミーレジャパン)、ガラストップのガスコンロ、センター吊りのスマートなレンジフード(アリアフィーナ)、そして浄水器が一体となったグースネックの水栓金具(セラトレーディング)と、機能を大幅に上げたオリジナルキッチン。カウンターはクウォーツサイト、キッチンの扉とカップボードの扉は鏡面のブラックとホワイト、ペンダント照明をご提案。