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三方を山に囲まれ、間口30mの敷地南面に各室の大型サッシが並ぶ。
隔て壁を介して手前には、唯一接道する南西に向けられた玄関が来客を出迎える。
真っ白な外観に対し、玄関とデッキ丸柱に木が用いられ、親しみやすい印象に。
緑にいだかれ リゾートのように暮らす フレキシブルな終の棲家
『南に面して居室を並べ、カーテンを開け放して過ごす家』がお施主様の希望だった。
東西北の三方は山に囲まれ、南隣地は1段下がった高さに平屋が建つため、遠方の山々を望むことができる。
唯一接道する南西に向けて配置された玄関を、ガレージと共に大屋根でおおい、ちょっと大げさな平屋が生まれた。
南面に連続する大開口の窓と室内建具は、天井高さいっぱいの高さ2.4mの既製品を採用し、垂壁のない室内空間としている。
同じく、こども室を仕切る建具にも、既製の大型2枚引込戸(シナ)を採用することで、週末や将来のプラン変更を柔軟に、また気軽に、いつでも対応できる計画とした。
日本伝統の『ふすま』文化を木製建具にて再現している。
また、各居室にアプローチする廊下には、家族それぞれのクローゼットを設け、回遊できる機能的なプランとした。
今のところ就寝時を除けば、こども室を仕切る必要はないため、LDKと一体に開け放し、お子様が走りまわれる大きなワンルームとしている。
基本的に既製品の組み合わせとすることで、他の住宅でも採用が可能な仕様だ。
床には無垢のパイン材フローリング、壁天井に珪藻土、収納部にシナ材、オーク突板のキッチンカウンターを採用した。
小鳥のさえずりが響く自然環境、階段のない平屋構成、真っ白な外観、大きなガラス窓、自然素材、見せない収納、ダウンライトの並ぶ天井・軒天などの様々な要素によって、自宅に居ながらも、まるでリゾートで過ごすような感覚を味わえる、終の棲家を実現した。
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白系統にまとめた外観だが、玄関ポーチは羽目板とし、温かみのある印象に。
既製の木製扉は、ドア枠・丁番・ドアハンドルが見えない。
羽目板の裏には、傘かけとポストを仕込むことで、ミニマムなデザインでありながら、機能的な玄関ポーチとした。 -
玄関戸に向かって左に靴棚、右に納戸。
玄関床は600角白タイル、框は巾250の凹凸のあるオーク複合フローリングを留加工で納め、室内のパイン無垢フローリングとは対照的な表情に。
脇には珪藻土壁に埋込で、姿見をすっきり納めた。
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内外の建具は天井高にあわせて高さ2.4mで統一し、垂壁をなくした。
LDKに隣接する個室の大型引込戸を開け放てば、大きなワンルームにも。
南面大開口は庇の出が大きく、真夏の日射の心配はないが、プライバシー保護のため麻のロールスクリーンを設置。 -
LDKから各居室へアプローチする廊下には、服や持物を収納する、家族4人各々のクローゼットを設けた。
物干スペース・アイロン台・布団収納・おもちゃ箱、絵本棚を兼ね備えた、機能的で回遊性のある廊下に。
正面に見える東面の窓いっぱいに、緑が広がる。
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LDKには勉強机を設け、家族が集うスペースに。
将来は、上部の棚にプロジェクターを設置し、対面にロールスクリーンを設置予定。
右側の壁には、ティッシュやTVジャックを隠蔽できるよう壁をふかしている。
窓の外には、梅や紫陽花など季節の花が並ぶ。 -
洗濯の下洗いができる容量の大きな洗面器と、洗練されたデザインの水栓を選定。
鏡やタオルバーも、極力シンプルにしている。
対面にガス乾燥機等を納め、ロールスクリーンで生活感を出さない計画に。
上部に設けた高窓にも、緑が広がる。