RAKURO 京都は、京都御所南に位置するオフィスビルを用途変更したリノベーションホテル。
「洛と人をむすぶ路」をコンセプトに、街をより深く知るきっかけを地域の⼈と共に提供し、今までと違う旅の楽しみ方を見つける場となることを目指している。1986年竣工と1990年竣工の2つの建物がジョイントされた元オフィスビル。規模は地上5階地下1階で、客室は全56室のホテルに生まれ変わった。
共用部を地域に開いたシェア型複合ホテル
THE SHARE HOTELSは「その場所にしかない新しい出会いと体験に溢れたホテル」をコンセプトに展開する、リビタのトータルプロデュースホテル。特徴はホテルの共用部を地域に開いたシェア型複合ホテルにしていること。RAKURO 京都は、京都におけるTHE SHARE HOTELSの1号店として開業した。
館内には京職人による作品を設置し、地域を感じられる仕掛けの一つとしている。フロント脇のタイルによるアートウォールは、京都有数の陶磁器産地として名高い日吉地域で三代続く洸春窯による制作。中庭に置かれたオリジナルの鍾馗像は製造の全工程を手仕事で行う浅田製瓦工場で制作した。この様な京都の伝統技術を担う地域プレイヤーとともにこのホテルは作り上げられている。また、ホテルの共用部では地域プレイヤーによるイベントが行われ、ここを訪れたゲストは、ガイドブックに載っていないローカルを感じられる体験や情報を得ることができる。
京都は国内外のゲストが多く訪れ、宿泊施設にとってもハード・ソフト両面で、より差別化を図ることが求められるエリアである。RAKURO 京都においては、情報感度の高いミレニアル世代をメインターゲットとしており、デザインとコストが合理的なバランスで空間をつくることを目指した。セラトレーディングの商品は理性的かつ実用性を備えたデザインで、コスト面においても優れた商品が多数あり、今回のプロジェクトでは欠かすことのできないアイテムであった。