内外で季節感を共有する住まい
建て主は既存庭に対しての思い入れが強く、幼少期の思い出が詰った庭には樹齢70~80年の高木や古池があり、これらのほとんどを残し建物を配置している。庭は建物配置により玄関を意識した招きの前庭と各諸室が囲い込む憩いの主庭に分け、古池は溜め水だった状態を循環できるよう水庭を造り、前庭と主庭を繋ぐ中間的領域に設けた。建て主の要望は、「庭と池を必ず残すこと」と「家族同様のペットとともに暮らせる空間、庭づくり」、そして「医学専門書を含めた3000冊程度の書庫」を強く要望された。庭はペットの運動を兼ねた散歩ができるよう造園業者の方に協力していただき、内部の空間に関しては2階の書庫を除いて全てのエリアをペットと共に暮らし、季節による木々の変化・木洩れ日・どこからとなく聞こえてくる野鳥の鳴き声、そして水庭のせせらぎの音は、内外を通じて四季折々に異なった表情を奏で、その変化が住居全体にスローライフな感覚をもたらしてくれる住まいとなった。セラトレーディング商品は使用場所を含めデザイン性を重視して当事務所から建て主に提案した。