空港・ターミナル駅へダイレクトに通じるロケーション
都心における機能的かつ高品質なトランジットサービスという独自のカテゴリーを目指す「ナインアワーズ」は、ホテル滞在中の「シャワー」+「睡眠」+「身支度」という3つの基本行動に特化し、それぞれの機能性と品質を徹底追求する考えで開発した。また、部屋という空間概念を捨てて身軽に使いこなすことで街とダイレクトにつながり、都心ならではの宿泊・トランジットスタイルを提案している。このため、宿泊に限らず、24時間お客様の都合に合わせて仮眠やシャワーのみでご利用できる。
「ナインアワーズなんば駅」の空間設計は、成瀬・猪熊設計事務所が担当した。
シャワー・睡眠・身支度という、都市の宿泊に求められる機能を一つ一つのスペースに置き換えて特化・洗練させてきた「ナインアワーズ」のフォーマットを解体し、機能のレイアウトや組み合わせ、導線を再構築することで、快適性や効率性を更に向上させた。具体的には、水まわりと身支度のエリアを連続させ、その中にラウンジ機能を加えることで、シャワー後睡眠に向かうまでの少しの時間や、身支度から外出するまでの時間をストレスなくつなぐことが可能となる。また、これまでは全体を同じトーンでデザインすることが通常だったが、場所の役割に応じて、最適な色やマテリアルの選定を行い、より機能的に研ぎ澄まされた空間を追求している。
アルネ・ヤコブセンが手がけたVOLAシリーズは、ミニマルで合理的なデザインが、ナインアワーズのフィロソフィーとマッチしており「ナインアワーズなんば駅」の他にも、2009年にオープンした1号店である「ナインアワーズ京都」をはじめ、多くの店舗で導入している。
ほか、利用者の使用頻度の高い洗面スペースなどにも、セラトレーディングの商品を導入している。
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男性用のカプセルフロア。上下段をずらして設置することで上段へ登りやすく、下段へ伝わる気配や音が軽減される。また、自然光が入る空間のため、起床時の目覚めも良い。(就寝時は各室のロールカーテンでプライバシーは守られている。) -
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男性用の洗面スペース。空間全体の照度を抑えているが、ミラーの中に照明を設置しているため、影が出ず顔が見えやすい設計に。 -
男性用のシャワーブース。シャワー・脱衣所が一体となっているが、仕切り扉にはガラスを使用。圧迫感のない空間となっている。
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女性用カプセルフロアの入り口。女性エリアは完全に区切られている。また、男女それぞれ、カードキーがなければ入室ができないシステムとなっている。 -
女性用のカプセルフロア。カプセル自体は、男性、女性ともに同じサイズ。カプセルパネルにカッパー色を用い、シンプルでありながら、柔らかな雰囲気をもたらしている。
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シャワー、洗面スペースに隣接するロッカーエリア(写真は女性用)。シャワーや身支度前後には、何かと物の出し入れが多くなるが、区切りなく隣接しているためアクセスしやすい。ナインアワーズの中でもロッカーサイズ、スペースともに最大限に割いているため、混雑時でも、利用しやすく設計されている。 -
チェックイン後にシャワーを利用すると、男女共有のラウンジを利用するのを躊躇する女性も多いことから、女性用の洗面スペース脇にもラウンジを設置。就寝前や身支度前後の少しの時間も有効活用できる。