生活を街に繋ぐ隙間をつくる
敷地は変形した5角形の角地で、周辺の敷地分割線はさまざまな角度となり、周囲は住宅に囲まれていた。そこで周囲の住宅の角度を観察し、それらと異なる角度を取り入れ、開口同士の視線の干渉や、壁面の近接を防ぎながら、隣家や街に小さな緩衝スペースを複数つくり出そうと考えた。
室内は折れ曲がる壁で緩やかに分節され、高さの異なる3つの床レベルを繋ぐ中央に配置された階段の螺旋運動に伴い、開口を通した風景が壁によって見え隠れしながら重なり、さまざまな方向に視線が展開する。3つの長方形を組み合わせた単純な平面形状ながら、見える風景や奥行きが場所によって変化し、時間帯や季節によっても表情の異なる居場所が生まれている。
この家では、洗面器を脱衣場ではなく天井の高いホールに設置したいと考えていたため、単体で美しく、モノを置くなどの使い勝手も両立できる洗面器を探していたところ、セラトレーディングの製品にたどり着いた。