デザイナーのためのヨーロッパホテルガイド 〜水まわり編〜 Vol.95

ホテル・バンケ(フランス・パリ)

2016/11/01

Hotel Banke

Add:20, rue La Fayette 75009 Paris
Tel:+33 (0)1 55 33 22 22
E-Mail:banke@derbyhotels.com URL:http://www.hotelbanke.com

「銀行」という名前の通り、元々は銀行だった建物が個性的なブティックホテルに変身した。(オープニングは2009年。2014年に5ツ星に昇格。)ラファイエット通りとピレ・ウイル通りの交差点がメインエントランスで、ギャラリー・ラファイエットやプランタン、オペラ座にも歩いてすぐと、このホテルも実に便利なロケーションだ。オリジナルの銀行建築(Banque suisse et française)は、ジョゼフ=マリー・カシアン=ベルナール(Joseph-Marie Cassien-Bernard)と、ポール=エミール・フリーゼ(Paul-Emile Friesé)の設計で20世紀初頭に建設された。

現在銀行は存在しないが、当時はパリの街の近代化にも関与した名のある銀行だった。銀行そのままの外観からは、その中にゴージャスでどんなスタイリッシュなホテルが隠れているか想像がつかない。

エントランスは予想外のゴールドのシャンデリアに真紅のカーテン、その奥に何やら驚きが待っている期待が湧く。古代エジプトの天空と太陽の神ホルスの目が床石に刻まれる。ホルスの目はまた全てを見通す知恵、癒し、修復、再生の象徴でもあり、銀行をホスピタリティーの場として再生したことの象徴でもあるようだ。

圧巻は高さ19mのガラス円蓋の吹き抜けの八角形の大空間。かつての銀行の窓口ホールがホテルのロビーとなった。上部はポンペイアンレッドにゴールドの古典的装飾のギャラリーに囲まれる。強く印象に残る空間。

床のモザイクの装飾も素晴らしい。

パプアニューギニア、インド、チベット、アフリカ諸国からの民族芸術やエスニックジュエリー等のユニークなコレクションが館内各所に展示される。

元々の銀行窓口のカウンターがロビーホールとレストラン、バーとの空間をセパレートする。(インテリアデザイン:Kim Castells & Jordi Cuenca / Triade Studio)
ロビーに入って左手にレストラン「ジョセフィン」(Josefin)。フランスとスペインの地中海料理をベースにした創作料理が人気。これほどゴールドの輝きに溢れるレストランは珍しい。そのゴールドにしかしマーティン・バースのスモークコレクションのチェアが最高にマッチ。

ロビーホールに入って右側に「ロラバー」(Lolabar)。

ホテルは全91室。写真はシャワーだけのスタンダードダブルルーム。かつての銀行頭取室だったラファイエットスイートは、大理石の暖炉付きで歴史的装飾も残されているが、夜は上演時間も長いバロックオペラに出かけるのでこれで十分だった。一番リーズナブルな部屋でもホテルのサイトから直接予約したら朝食&スパークリングワインのボトル&スイーツまでサービス付きだった。
マテリアルの使い方を実験するのが好きというデザイナーは、通常はフローリングに使われるレザー素材をベッドのヘッドボードに使ってみせた。

クローゼットが部屋の間接照明にもなる。

バスルームはビザッツァのグリーンのガラスモザイクにセラミックの白がよく映える。アメニティが巾着袋に入っているのが可愛い。