七里ケ浜の丘の上に刺さる大きくて寡黙な一枚のコンクリート壁。歩行者の視線を海へ受け流し、風と西日からは建物を遮っている。夜は壁の裏から漏れる光が街をほのかに照らしている。 海側の道から建物を見たところ。下からガレージ、和室、リビングダイニングルーム。張り出したバルコニーには景色を邪魔しないガラスの手摺を採用。
街並みと景色の2つの軸を持つ さざなみをモチーフにした住宅
鎌倉市、七里ヶ浜の丘の上で海から少し入った場所に建つ、サーファーでもあるクライアントの家の建て替え。白い外断熱の建物と西日や視線を遮るために設けた大きな杉板型枠打放しの壁に、ガラスの手摺が印象的な外観の住宅には、街と調和しつつ暮らしに海を取り込むため、街区に合わせた外観の軸と、海を眺めるために斜め45度に振ったインテリアの軸の2つの軸線を持たせた。以前に建てられていた家の窓からは、主に向かいの家や隣の家が見えていたのに対し、今回の計画では家の奥からでも海の景色を楽しむことができるようになった。また、屋上に上がると、三浦半島から伊豆諸島、伊豆半島、富士山、丹沢など、素晴らしい景色を眺めることができる。景色だけでなく、身近に水を感じてもらえるよう、フローリングや窓台、カウンター材などに、さざなみの模様が彫られた板材を使用し、洗面、バスルームにも上質な設備を採用した。
バルコニーからLDKを見たところ。手前のリビングダイニングルームは天井高3メートルで、左にはバーカウンターとガラスの飾り棚がある。その奥にあるキッチンに立つと、正面に海が見渡せる。 下部は左の壁から、上部は建物から出ている片持ちの打放しの階段。この階段を上がると、屋上からは360度の眺望が開ける。