
洗面台やキッチン、トイレの水栓金具(蛇口)の吐水方法を大きく分類すると、泡沫タイプと整流タイプがあります。今回は泡沫タイプの水栓の特徴からお手入れのコツまで詳しく解説します。新築やリノベーションで水まわりを検討中の方はぜひ参考にしてください。

泡沫タイプ

整流タイプ
1.泡沫水栓の特徴とは
泡沫水栓とは、吐水する水と空気を混ぜて泡状にすることで、少ない水量でも十分な水圧を感じられる水栓です。これにより節水効果が高まり、環境に配慮した使用が可能です。また、泡状の水流は肌あたりが柔らかく、快適な使い心地を提供します。これらの特徴から、個人宅だけでなく、商業施設や公共の場でも広く利用されています。


1-1.優れた節水効果
泡沫タイプの水栓は、水に空気を混ぜながら柔らかく吐水する仕組みになっています。また、水の一粒一粒に空気が含まれていることから、ボリュームのある水流となり、少ない水でもたっぷりとした使い心地を感じることができます。一方、整流タイプの水栓は、水に空気が混ざらないため、水の勢いはありますが、使用する水の量が多くなりがちです。そのため、泡沫タイプの水栓は快適な使い心地は変わらず、節水の効果を発揮します。
さらに、お湯の使用量も減らせるため、ガス代や電気代(給湯コスト)の節約にもつながります。毎日の暮らしの中で無理なく省エネを実現できる泡沫水栓は、環境にも家計にもやさしい選択となるでしょう。
1-2.心地よい使用感
泡沫水栓のもう一つの魅力は、心地よい使用感です。泡状の水流は、肌に優しく、柔らかい感触をもたらします。この柔らかさは、手洗いや洗顔の際に快適さが増し、特に敏感肌の方にも適しています。
1-3.水はねのしにくさ
泡沫水栓は空気を含んだ柔らかい水流になるため、水が飛び散りにくくなるといった特徴もあります。水はねしにくいことで周囲を濡らすことが軽減され、キッチンのシンクや洗面所の鏡、カウンターが水あかで汚れにくくなるため、お手入れの手間を減らすことができます。
1-4.水流を整え、ごみをキャッチするフィルター機能
水栓(蛇口)の先端部分に取り付けられている泡沫キャップは、水流を整えるのと同時に、水道管内部のサビや、砂や小さなごみなどが吐水口から一緒に出てくるのを防ぐフィルターの役割もあります。
これらの異物がキャッチされることで、水の清潔さを保ち、シンクなどにサビの跡が付着するのを防ぐ役目も担っています。
※泡沫キャップには必ず同様の機能がついていますが、整流キャップの一部にはついていないものもあります。

泡沫キャップ
2.泡沫水栓のお手入れ方法
水栓金具はキッチンやバスルームなどで日々使用されるため、水あかや汚れがつきやすいもの。また、泡沫水栓はごみをキャッチするフィルター機能がついているので、水栓先端についている泡沫キャップのお手入れも必要となってきます。日々お手入れすることで、スムーズな水流を保ち、泡沫機能を最大限に活用できます。
2-1.定期的なお手入れ
泡沫水栓の定期的な掃除は、長持ちさせるために欠かせません。まずは水栓の先端についている泡沫キャップを取り外し、網状のフィルターを確認します。フィルターには水あかや細かいごみが溜まりやすいので、これを取り除くことが重要です。柔らかめのブラシ(歯ブラシなど)を使って優しくこすり、ぬるま湯で洗い流します。頑固な汚れの場合は、中性洗剤を使用すると効果的です。掃除を行う頻度としては、少なくとも月に一度のチェックを推奨します。
また、掃除の際にはフィルターの状態も確認し、劣化が見られる場合は交換を検討しましょう。このような定期的な掃除と点検により、美しい水流を保ちつつ、その機能を長期間にわたり発揮し続けられます


3.泡沫水栓の特徴と選び方のまとめ
泡沫水栓は、節水効果と使い心地の良さを兼ね備えた水栓です。水が空気と混ざり合うことで、柔らかい泡のような水流を作り出し、手触りが優しく、水はねも少なくなります。これにより、水の使用量を抑え、環境負荷を軽減することが可能です。
選び方としては、まず使用する場所や目的を考慮し、適切なサイズやデザインを選定することが重要です。泡沫水栓を取り入れた後は、長期間使い続けるためにも定期的な掃除を心がけましょう。

キッチン用水栓(泡沫タイプ):VL590

キッチン用水栓(泡沫タイプ):VL590