圧倒的な迫力を持つメインロビーの大空間。 季節感あふれる飾付けでゲストをお出迎え。
「川とともに流れる“ゆとり”と“癒し”の時間」
このホテルの立地する富山県内陸部の神通峡春日温泉は、周辺に集客力の高い観光スポット等も少なく、残念ながら全国的な知名度はそれほど高いとは言えない。そこで、2000年に誕生した「リバーリトリート雅樂倶」は、「河畔の癒し」をテーマに掲げ、神通川に面した抜群のロケーションを生かし、また温泉以外の付加価値を充実させることで、滞在すること自体が最大のセールスポイントとなる「大人の隠れ家」としての魅力を磨き続けてきた。 そして2005年、そのテーマをさらに深化させるため、建物を拡張する形で新たに「ANNEX」をオープンするに至った。
このホテルのオーナーは建築やインテリア、アート等にたいへん造詣の深い方で、今回この「ANNEX」を手掛けるにあたり、たいへんしっかりしたイメージを持たれていた。 よって、この建物のコンセプトづくりは、設計サイドからの一方的な提案ではなく、オーナーとの綿密なコミュニケーションを通してじっくりと練り上げられていく形で進められた。
この建物でまず印象的なのは、特殊な形状のPCブロックにより組み上げられた圧倒的な迫力を持つメインロビーの大空間である。 川に面した側を2層吹抜けの天井まで届く全面開口部とし、川と建物の境界をあいまいにするためにテラスに水盤を配した。それにより、ロビーからの視界を遮る手摺りの設置は省略され、神通川河畔の雄大かつ静寂な風景を余すところ無く取り入れることが可能となった。
このホテルには何度訪れても新たな発見があるようにと、すべての客室にはそれぞれ全く異なったテーマが与えられており、一つとして同じ仕様の空間は存在しない。 今回新たに「ANNEX」に設定された全8室のスイートルームについても同様で、「木」や「土」、「金属」等といったテーマの下、それぞれが個性的でありながら落ち着いた空間に仕立てられている。
各部屋にセットされたインテリアは、オーナー自らがそれぞれのテーマに沿って吟味したものでコーディネートされており、家具や美術品、テキスタイル、照明等の電化機器からバス洗面空間の水まわり機器、細かいところでは特注仕上げの障子戸や畳、ドアノブに至るまで、そのこだわりは徹底されている。
これらのスイートルームには、150m²〜90m²という並みのマンションを凌駕するゆとりを持った室内空間が与えられている。そして、すべての部屋のリビングとバスルームは神通川に面して設定されているため、雄大な景色を眺めながらゆったりとした「癒し」の時間を自室で堪能することができる。
また、各スイートは玄関を開けるとすぐ、そこには上下階層共用ではあるが専用の中庭が配置されている。ここに泊まるゲストたちは入退室の度、必ず一度屋外に出ることとなり、まるで貸切りの「離れ」にでも宿泊するかのようなプライベート感が演出されている。 これらの中庭にはそれぞれ、県内外の4人の芸術家の手による現代アートが設置されており、ここに面したベッドルームや和室からそれを感じることで、河畔の風景とはまた一味違った趣を楽しむことができる。
外観・ロビー・パブリック空間
周辺の四季折々の風景に馴染む繊細なデザインの車寄せ。 ロビーと同じ、特殊な形状のPCブロックで構成された階段室。隙間にはめ込まれたガラスブロックより外光を取り入れることで幻想的な雰囲気を演出する。
ロビーより雄大な神通川の風景を望む。
手前が広がっている方が「男椅子」、狭まっている方が「女椅子」と名付けられた特徴的なデザインのソファ。内藤事務所オリジナルデザイン。
パーテーションで区切られた女性用パブリックトイレの洗面コーナー。 P.スタルクデザインの洗面器&自動水栓のセット。
漆喰壁で仕立てられた「和」の雰囲気の男性用トイレ。 スパ内に設置されたパウダーコーナー。圧迫感の少ないハーフベッセルの洗面器セットが並べられている。
スイート111号室 「恋華の間(れんかのま)」
スイートの入口のドアを開けると、いきなり中庭が出現する。
赤茶系の「和」の雰囲気でまとめられた客室デザイン。ゆったりとした広さを持つリビング空間。
奥に設けられた和室より、中庭の現代アートを望む。
シャープなデザイン手洗器セットが設置されたトイレ空間。 ボリューム感のある「アクアグランデ」洗面器が2つもセットされている、迫力の洗面空間。
洗面器の存在感に負けない、A.チッテリオデザインのスクエアな水栓をセット。 チッテリオシリーズで揃えられたシャワー水栓セット。
スイート112号室 「響の間(ひびかのま)」
真っ白でモダンな客室デザイン。フラットなタイルの反射が美しい。
モダンなデザイン家具が並べられたソフトミニマルな室内空間。 白木が使われたナチュラルな洗面空間。深型の丸みを帯びた洗面器がやさしい雰囲気を演出。
ミラーに埋込まれたVOLAシリーズの壁出し水栓。 すっきりしたデザインのシャワー水栓で統一。オーバーヘッドシャワーはホテルのようなスペシャルな雰囲気造りには欠かせないアイテム。
スイート213号室 「想紅の間(おもいくれないのま)」
色数の少ないシャープな大人の雰囲気でまとめられた客室デザイン。リビング入口より神通川方向を望む。
金属のシャープな光沢がクールなイメージを演出する洗面空間。 空間に合わせてVOLAシリーズのステンレス製水栓をセレクト。
モザイクタイルが印象的なシャワー空間。奥に見える小窓の向こうは専用のサウナルーム。 実用的な首振りタイプのVOLAシリーズ水栓をセレクト。こちらもステンレス製。 神通川を眺めつつ、ジャグジーに浸かりながらゆったりとした時間を楽しむ。
スイート214号室 「白橡の間(しろつるばみのま)」
白木をベースにナチュラルテイストでまとめられた客室空間。
丸みを帯びたインテリアがやさしい雰囲気を作り出す快適空間のベッドルーム。 P.スタルクデザインによるこだわりのドアノブ。
洗面器セットもアクセントの効いたスタルクシリーズで統一。
驚きのデザインのオーバーヘッドシャワー。スタルクシリーズのシャワー水栓にも違和感なくマッチング。 羽をモチーフにしたレバーのデザインが印象的。
スタルクシリーズのフリースタンディングのバスタブ。 シャワバス水栓には同じくフリースタンディングタイプのものをセレクト。