100年先まで考えつくされた家
このお住まいに暮らすご夫婦は多忙な日々を送られており、帰宅後や休日は、シンプルでありながらも南国のラグジュアリーホテルのような空間で、いかに心地よく過ごせるかをハード、ソフトの両面で追求された。
一番の特徴は地階にある寝室。一年を通して室温が一定している地下の環境を最大限に取り込み、快適な寝室を実現。また、遮音性能の高いコンクリートの地階は、オーディオルームとしても最高の環境を作り出した。
躯体は100年住宅を目指すために、株式会社 地下室独自の技術「DeMesh工法」で、メッシュ状の型枠を使うことで硬化コンクリートを改質し、緻密で耐久性の高いコンクリート構造を実現した。
敷地は南側を除き、隣地の建物が迫っている。南側も道路に面した間口4mを除くと、隣地建物のアプローチとなっているので、外部に対してある程度閉鎖的に計画した。開口部にはガラスブロックを積極的に用い、自然光を内部に採り入れ、閉塞感をなくしている。
ご夫婦がもっとも長い時間を過ごすリビングダイニングを大きなワンルームとして設けた2階。
ゆったりとしたレイアウトの対面式キッチンを中心に、ダイニング、リビング、更にカウンターで緩く仕切られた和室を配した。完璧で高品質な躯体を目指すために配線、配管類を一本も通さないというルールを追求し開発された「設備コンソール」の間接照明が、落ち着いた光をリビングダイニングに投げかける。
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2階はキッチン、ダイニング、リビングが一体となったワンルーム。コンクリート打放しの空間に、インテリアとの調和を考えたオリジナルの木製間接照明やオーダーキッチンを美しく設置。 -
キッチンの一角にはたっぷり収納できるパントリー、奥には家事コーナーを設置。パントリーからデスクまで、全て特注で統一した。ガラスブロックからの自然光が、デスクまわりに柔らかく届く。
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ご夫婦がゆったり過ごせる畳と掘りゴタツのあるスペースを希望されていたため、リビングの一角に和室を配置。バーカウンターがパーテーションの役割も果たす。正面のコンクリート打放しの壁や天井と、柔らかな木製家具の表情との対比が美しい。 -
2階トイレカウンター。出入り口の正面のため、天板をアール形状にし、セラトレーディングの小ぶりで丸い手洗ボウルを設置。柔らかなイメージの空間に。