絞り込み検索

2020.12.01
  • T字路から見た側壁。側壁はラーチ合板型枠のラフなコンクリート仕上げで、完成当初からそこに存在していたような佇まいにした。
  • 玄関前アプローチのバッファーゾーン「内側庭」。側壁の開口を通し風や光が差し込むが、斜め向かいにある保育園の子供たちの声は気にならない。

年月を経ることで育つ家

二世帯住宅の建て替え計画。

北と西側が道路の角地で、斜め向かいには保育園があり、子供たちの元気な声が響き渡る環境だった。まず道路境界からオフセットして住空間にかざすように壁(側壁)を建て、その内側に角地の建蔽率緩和を利用し、ゆったりした住空間を計画した。

住宅地では建築を敷地の片側に配置し、残った部分を主庭や前庭にする住宅をよく見かける。また、都市部の住宅では、プライバシーを守る住環境を確保するために中庭形式をとる家も多い。この敷地でも南側に主庭を設けたり、中庭を設けるボリュームチェックも行ったが、残地部分が限られてしまい、良好な庭・環境が確保出来ない。そこで始めに設定した側壁に沿って庭を分配し、側壁と住空間の開口を調整して、音や視線から守られつつも、光や風は取り入れられるバッファーゾーンを確保した。またその開口を通し道路から空が見え、視線が抜けるようにすることで、外部への圧迫感の緩和を図った。

側壁の外側、道路との間が「外側庭」、内側の住空間との間が「内側庭」となり、外側庭は道行く人たちに季節ごとに緑の変化を提供し、内側庭には一日や一年、時間により様々な光が差し込む。

外側庭を空地に自生したような風情にすることで、完成当初からそこに存在していたような佇まいにして「年月で朽ちる家ではなく育つ家を」と言う要望に応えた。

  • 1階玄関ホールより客間を見る。玄関と客間は4枚吊り戸で仕切ることが出来る。腰壁がタイル張りの小上がりは置き畳で、内部が収納になっている。
  • 1階客間は「内側庭」と室内の明暗のコントラストが際立ち、2階のリビングとは空気感の異なる、第2のリビングになる。
  • 2階のリビング・ダイニング・キッチンは階段を挟んで回遊でき、トップライトや開口からの光が時間によって移動し、多様なシークエンスが生まれる。
  • 2階ダイニングよりリビングを見る。室内壁・外壁・側壁の開口がズレながら重なる。
  • 2階寝室。ダイニングやキッチンと回遊できる。
  • 側庭からの光が浴室を通して届く1階洗面脱衣には、セラトレーディングの一体型洗面化粧台を選んだ。
  • 防音・音響を確保した、バンドマンであるご子息の地下1階のスタジオ。
  • 屋上への階段で緩やかにゾーニングした3階のワンルーム空間。一番風通しが良く、光が差し込み、眺めの良い3階をお施主様のお父様のスペースにした。
  • 屋上への階段はスチールで軽やかに仕上げた。
  • 水まわりはワンルームからワンクッション置いた位置にある。
  • 北側から安定した光の入る洗面脱衣室は、身だしなみに気をつけているお施主様のお父様の支度スペース。
  • 浴室はハーフユニットで、タイルで温かみを持たせた。

設計事務所

株式会社 大塚聡アトリエ一級建築士事務所

住所 〒167-0042 東京都杉並区西荻北2-1-9
TEL 03-6913-5410
FAX 03-6913-5411
代表者様 大塚 聡
URL http://www.otsuka-a.jp/

建物概要

名称 側庭の家
所在地 東京都板橋区
施主 個人
統括設計 大塚 聡
施工 株式会社 栄港建設
工事期間 2015年10月~2016年8月
建築用途 住宅(三世代住宅)